ハワイから八幡平市へ！
吉田さんが描く、子どもたちの未来
アメリカ・シカゴ生まれ、東京育ちの吉田力（よしだ・ちから）さん。高校卒業後は板前を志し、京都で2年間修行。その後、日本食レストランを開く先輩に誘われ渡米しました。現地で英語を学ぶうちに、アメリカ・オマハの大学への進学を勧められ入学。卒業後はハワイで日本語補習授業校の教師として勤務していました。
日本語補習授業校で教鞭をとる吉田さん
※補習授業校の概要
補習授業校は、現地の学校や国際学校（インターナショナルスクール）等に通学している日本人の子どもに対し、土曜日や放課後などを利用して国内の小学校又は中学校の一部の教科について日本語で授業を行う教育施設です。日本人学校と同様、現地の日本人会等が設置運営主体となっています。（文部科学省HPより）
移住の決め手は「スパルタキャンプ」
吉田さんの人生を大きく変えたのが、八幡平市主催の「スパルタキャンプ」。宿泊・講座が完全無料のプログラミング合宿で、以前から興味を持っていた分野を学べる絶好の機会でした。
参加中、「これはおもしろい！」と感じた吉田さんは、なんと合宿中にハワイの仕事を辞め、八幡平市への移住を決意します。
同時期に知った
地域おこし協力隊の募集にも応募
吉田さんのメインミッションは、東京オリンピックに向けた「ルワンダホストタウンプロジェクト」、サブミッションは「八幡平市のIT教育プロジェクト」。これまでの経験を生かせると感じ、隊員として活動を始めました。
並行して、子ども向けプログラミング教室「アクセルキャンプ」も運営します。
ルワンダのオリンピック・ビーチバレー選手団。洋野町のたねいち海浜公園でトレーニング中です。
国指定特別天然記念物・焼走り溶岩流堆積層をバックに、ルワンダの選手と記念撮影。
フリースペースProud!を開設
子どもたちの「居場所」であり「学びの場」
地域おこし協力隊を卒業後の2022年、吉田さんは新たに「フリースペースProud!（プラウド）」を立ち上げました。プログラミング教育をはじめ、不登校や引きこもりの子どもたちの支援も行っています。現在は小学生から高校生まで20名以上が学んでいます。
「リッキー先生」と子どもたちの温かい交流
取材当日は、大更小学校2年の畠山泰嘉さんと沢口想さんの2人が、タイピング練習やプログラミング学習ソフトを使って楽しみながら取り組んでいました。
子どもたちは親しみを込めて吉田さんを「リッキー先生」と呼びます。「リッキー先生は、何でも知っていてかっこいい」と畠山さん（写真左）。
（※小学生２人の名前と写真は保護者の方の承諾を得て掲載しています。）
吉田さんのパソコンには中学生がデザインしたオリジナルスキンシールが貼られ、子どもたちに慕われていることを感じさせます。
また、フリースペースProud!（プラウド）で学んでいる平舘高校の生徒さんが授業のお手伝いをしてくれることもあり、「子どもたちが自然にコミュニケーションを取りながら学んでいる姿を見るのがうれしい。『楽しかった』と笑顔で帰っていく姿を見ると、やっていてよかったと思います。」と吉田さんはいいます。
移住７年目で感じる「ここに来てよかった」
吉田さんは「事業を起こすことは初めてで、わからないことだらけでした。でも、協力隊として活動したおかげで地域の方と顔なじみだったこと。スパルタキャンプで知り合った仲間がいつも全力で応援してくれたことが自分の支えになりました。」と地域との交流と仲間に感謝していました。
そして八幡平市での暮らしについて尋ねると、吉田さんは笑顔で、「寒いのはちょっと苦手ですけど、移住の選択は正解でした。」と話します。
回数券を購入するほど温泉が好きだという吉田さんは、「（温泉に）浸かっていると頭がリセットされるんです。」と八幡平市での生活を楽しんでいます。
こちらは、温泉ならぬ八幡平市のとある滝でのワンシーン
目指す未来
吉田さんには、これから叶えたい明確な目標があります。
・八幡平市の子どもたちのITリテラシーを岩手県でナンバーワンにすること。
・子どもが自由に遊び、好きなことを追求できるフリースクールを創ること。
「八幡平市を超絶面白くしたい！」
そう語る吉田さんの挑戦は、これからも続きます。
フリースペースProud!（プラウド）
公式サイト：https://freespaceproud.com/
〒028-7405
岩手県八幡平市平舘第24地割44-3
（平舘ユニバース向かい／元東大薬房・雑貨屋Harenohiとなり）
代表：吉田 力
電話：080-7572-1443
メール：axcelcamp.teacher@gmail.com
