友好都市「沖縄県名護市」とのつながり【連載 第3回(全3回)】

名護の話題

名護市の高校生が育てるブランド豚「チャーグー」がふるさと納税返礼品に採用

名護市にある沖縄県立北部農林高等学校は、激減した琉球在来豚である「アグー」を復活させた歴史を持つほか、「チャーグー」と呼ばれる「アグー」とアメリカ品種の「デュロック」を掛け合わせて誕生したブランド豚の飼育も行っています。
そして、令和6年10月より名護市ふるさと納税返礼品として「チャーグー」の提供が開始されることになり、今回訪問時に、市長への報告会や高校での飼育現場を見学させて頂きました。

市長室で市長(写真中央)に「チャーグー」をPRする高校生や関係者。その横で存在感を示す”八幡平ドラゴンアイ”のポスター(写真左端)





高校生たちによって大切に育てられた「チャーグー」。
「名護の特産品としてたくさんの方に美味しさを知ってほしい」という想いから、この度ふるさと納税返礼品として取り扱うこととなりました。
現在、北部農林高等学校でしか飼育していないため、出荷頭数が少なく希少で、農業祭や生産物即売会等の学校行事や、地元のイベントで販売されるとあっという間に売り切れるなど、その人気ぶりがうかがえます。


名護でもリンドウ

八幡平市の特産品で生産額、栽培面積ともに日本一の花「安代りんどう」。
リンドウの主な産地は東北地方ですが、名護市で唯一リンドウ栽培に挑戦している前川農園の前川 顕造(まえかわ けんぞう)さんを訪ねました。

収穫したリンドウを手に取る前川さん

「普段は菊の栽培を中心にユリなど年間を通して様々な種類の花を栽培しています。リンドウは菊と同じお供えの定番の花なので、試験的に育ててみようと思って昨年から栽培を始めました。長野県の生産者から指導を受けて数種類のリンドウを植えましたが、栽培技術や環境を確立するのにはまだ時間がかかりそうです。
沖縄県内で栽培に成功したという話を聞いていますし、きっとこの地域に合う育て方があると思うので再チャレンジする予定です」と今後のリンドウ栽培に期待を膨らませていました。

以前は建設業界で働き、家業である農業を継いで4年目の前川さん。訪れたことはないという八幡平市のイメージを伺うと、少し考えてから「寒そう…」と笑顔で話してくれました。


12月のお正月用から3月のお彼岸用にかけて収穫のピークを迎える菊は、ほとんどが県外に出荷されます。菊の栽培が盛んな沖縄県では一般的だという、夜間に照明をつけて出荷時期に合わせて花を咲かせる「電照栽培」を行っているため、菊の苗の上にはたくさんの電球が取り付けられていました💡


関東から移住して10年

一般社団法人 やんばるナゴラブ 渡具知 美奈子(とぐち みなこ)さん


「学生の時に旅行で初めて名護に来て、その後、社会人になってからも気に入ってずっと通っていました。しばらくして名護で働く機会を得て、その後結婚して今に至っているので千葉県から移住して10年になります。
現在、ナゴラブ】という名護を楽しむ情報サイトを運営していて、名護の魅力や観光情報を中心に、市民だけでなく観光で訪れる方にも名護の良さを知ってもらうための情報を発信しています。
名護は、「沖縄美ら海水族館」など人気の観光地に向かう時の”通り過ぎる街”と言われたりしますが、”とどまってもらえる街”になるために、一人でも多くの方が名護に行きたくなる、そしてファンになってもらえるような魅力的で役立つ情報をお届けしたいです。

名護に住んでみて、新旧がほど良く共存している場所だなと感じています。
今でも「共同売店※」が所々に残っていて地域の暮らしを支えていたり、2025年にオープンする新しいテーマパークが大きな話題になっていたり、歴史文化も大切にしつつ新たな活気が生まれていくところに魅力を感じます。
八幡平市は自然豊かな場所というイメージですが、名護には海も山もあるところが良いなと思います。私は県外から来たので”沖縄には四季が無い”と感じることもありますが、年間を通して温暖というのは快適です」

※共同売店とは、明治末期の沖縄で誕生し、 共同購入を中心に様々な事業を行なってきた独特の相互扶助組織。


出展:名護市博物館



渡具知さんのおすすめスポット「21世紀の森ビーチ」は、市街地に近くて気軽に海岸線を散歩できるお気に入りの場所のようです🏖️



松尾村時代から現在まで続く友好都市の交流事業に携わってきた方々、八幡平市と共通する話題や名護市内での新たな取り組みなどを中心に取材を行う中で、両市で積み上げてきた交流の歴史を大切にしながら、長期的な関係性を築いている様子がうかがえました。
皆さんも友好都市名護市を訪れ、その魅力に触れてみませんか。