美容業界での豊富な経験を経てたどり着いた、新たなスタートライン【理美容室開業】


美容師&理容師の「ダブルライセンス」を持つ杣澤(そまざわ)洋子さんが、八幡平市松尾にある築50年の元自宅の建物を改装して、古民家風の隠れ家的なお店を開業しました。

杣澤(旧姓:木下)さんは岩手県盛岡市出身。専門学校卒業後、美容師として盛岡市内の美容室に約20年間勤務した後、『盛岡ヘアメイク専門学校』に教員として22年にわたり勤務。定年退職後に理容師免許を取得。2022年3月、62歳で「髪処そま屋」をオープンさせました。

※理容師と美容師の違い…理容師の仕事は、理容師法で「頭髪の刈込、顔そり等の方法により容姿を整えること」と定められています。美容師の仕事は、美容師法で「パーマネントウェーブ、結髪、化粧などの方法により、容姿を美しくすること」と定められています。決定的な違いは、理容師は「髭剃り、顔剃り」ができるが、美容師はできないことです。一方、美容師は着付けも業務範囲としています。

玄関の扉を開けると、大きな看板がお出迎え


ひとりひとりのお客様と向き合うプライベートサロンです。

 リラックスできるシャンプーチェア

JAA日本アロマコーディネーターの資格も有り、心地よいアロマの香りが漂う空間と癒しの音楽

お品書き風にした手作りのメニューブック🍥

通常メニューの他、エステシェービングやヘッドスパ付きのメニューも豊富✨

今度は学生として、再び専門学校へ

杣澤さんは、美容師時代に培った技術や経験を存分に活かしながら専門学校の教員として、美容業界の仕事内容や技術を学生に教えてきました。その際、「手に職をつけて長く働くこと」の魅力を学生に伝える一方で、「私は退職後どうするのかなぁ?」と自らに問いかけることもあったのだと言います。
「これまで美容業界に長く携わってきて、まわりの人たちから独立開業を勧められたこともありましたが、自分のお店を持ちたいと思ったことはありませんでした。退職して、これからのことを色々と考えているときに、知人が経営する理容店を手伝う機会がありました。それがきっかけで、理容師免許も取得したいと思って、かつて教員として通った『盛岡ヘアメイク専門学校』に今度は学生として通ったので、元同僚や学生達たちからはとても驚かれましたよ(笑)」

ここで美容室をやろうかな!

杣澤さんは、専門学校の学生たちとともに理容師の国家試験の取得に向けて必死に勉強しながら、自宅敷地内にある元の自宅だった建物の片付けも同時に行っていました。また、個人で美容室を経営している知人達との交流もあり、その様子を見聞きしているうちに、自分もお店を持つことに憧れを抱き始めたのだと言います。
「元の自宅だった建物の片付けをしていて、突然「ここで美容室をやろうかな!」と思いつきました。そして、主人に相談したら「いいんじゃない?」とすぐに返ってきて、「じゃあやる!」という感じで、あっという間に決まりました。夫婦で何かを決めるときは、昔からあっという間に決まることが多く、結婚も知り合って4ヶ月でしたね。」

それから開店に向け準備が始まりました。
また、新たに理容師免許を取得したことにより施術ができるようになった「シェービング(顔剃り)」もメニューに取り入れることにしました。
開店に向けて、シェービングの師匠と慕う先輩から技術を学び、現役美容師の知人たちからアドバイスを受け、友人の息子さんからインターネット接続やキャッシュレス決済導入の手続きを手伝ってもらうなど、心強い協力者たちと共に感謝しながら開店準備を行いました。

そうした結果、カットやヘアカラーといった通常メニューのほか、エステシェービングやヘッドスパ、着付けも取り入れるなど、これまで培ってきた技術に加え、新たな試みも取り入れて幅広い対応ができる、「ダブルライセンス」を持つ杣澤さんならではのお店が完成しました。
        
窓からの眺め。花瓶のお花は「りんどう」❀

お店の前には元消防士のご主人が造り上げた、こだわりのお庭🌳

出入り口のようす(看板が出ていないので、ゆっくりと進入しました)

道路沿いの大きな木の下にあるライトが目印です💡


レトロな雰囲気を残したお店の入口

岩手山登山は30回以上!

席だけのゆったりとした空間で、お客様がまわりや時間を気にせずにリラックスできるよう工夫を凝らした、古民家風の落ち着く雰囲気が特徴の隠れ家的サロン”を完成させた杣澤さん。これからは、自分の時間も大切にしながら楽しく働きたいと考えているようです。
「現役時代は体力的にも精神的にもハードな面もありましたが、これからは無理せずにスローダウンしながら長く働くのが目標です。休日は温泉へ行ったり食事に出かけたり、先日行った大好きな場所のひとつの不動の滝」では神秘的な景色にパワーをもらったり、市内の豊富な自然も満喫しています。」

「これまで岩手山には主人の趣味もあり30回以上登って、県内の山々の他に富士山、鳥海山、八甲田山、岩木山などにも登ったことがあるんです。」と、そのときのエピソードを楽しそうに語る杣澤さんからは、明るくエネルギッシュな人柄が伝わってきます。

「教員時代の教え子が近くでたくさん活躍しているので、その姿がとても励みになります。」と教え子たちの活躍を嬉しそうに話されます。

杣澤さんに美容師を目指したきっかけを伺うと、「盛岡白百合学園高校3年生の3学期で進路を決めるときになって、専門学校進学を決めた」とのこと。サロン経営も、意外なことに計画していたわけではなく、美容業界での豊富な経験を経てたどり着いた、新たなスタートライン。
お話を伺うと、いろいろな場面で”決断”と”行動”のスピード感に驚きの連続でした。
人生の新たな夢のステージを自らの手で切り開いていく、杣澤さんのバイタリティに富んだ行動力と仕事への情熱が伝わってきました。


髪処 そま屋

住所:岩手県八幡平市松尾13-71
営業時間:10:00~17:00
店休日:水・木・不定休
☎0195-74-3732 (施術中のため出られない場合があります)
※お電話での事前予約をおすすめします。
駐車場:あり


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