雪道運転で大切なこと🚗【レポ】

いよいよ冬本番❄

朝、除雪車の音で目が覚めることも八幡平市では当たり前の日常です。関東など雪があまり降らない地域から移住して来た方や移住を検討している方で、初めて雪道での運転を経験するという方も多いのではないでしょうか。また、首都圏から移住した場合は車の運転にも慣れていない方が多く、そのうえ雪道運転となるとさらに怖いと思うかもしれません。

私もこの冬、八幡平市で雪道運転デビューしました🔰運転免許を取得してからずっとペーパードライバーだったこともあり、雪道運転は緊張の連続です。そんななか、雪道での運転技術向上と安全運転の大切さを学ぶ機会をいただきましたので、その時のようすをご紹介します。

岩手県内には雪道運転や横滑り体験講習を実施している自動車学校もあるようです。こうした雪国ならではの講習を受けられるのは移住者にとって心強いですね。

講師は阿部勝彦さん。
岩手県警察を定年退職後、自動車学校の校長を務めるなど豊富な経験と知識をお持ちの阿部さんが、実体験やエピソードを織り交ぜながらわかりやすく教えてくださいました。
現在は八幡平市役所地域福祉課に勤務しています。趣味はスキー⛷キャンプ⛺


今回は最初に「座学」で冬場の運行前点検や注意点などを教えていただき、その後の「実技」研修ではコーナリング走行や急ハンドル・急ブレーキ操作を行い、正しいブレーキペダルの踏み方や滑ったときの車の状態を確認しました。

≪冬の交通事故防止1・2・3≫

・1割のスピードダウン

冬場は道路環境が悪化します。減速や停止、ハンドル操作ができるよう夏場よりも1割以上のスピードダウンで事故防止!

・2倍の車間距離保持

積雪・凍結した路面は通常よりも制動距離(ブレーキをかけてから完全に停止するまでの距離)が長くなります。2倍以上の車間距離を保って追突事故防止!

・3分以上早めの行動を 

スピードダウンや通行止めなどを想定し、気持ちにゆとりをもって運転ができるように3分以上早めの出発を!

最初に≪冬の交通事故防止3か条≫について説明していただきました。
そのうえで「雪道では高度な運転技術が求められるというわけではなく、雪道こそ教習所で学んだ運転の基本操作や心構えが大事だということを知ってほしいです。そして冬ならではの運転の心得を身につけましょう。」と大切なお言葉をいただきました。

≪運行前点検≫

①ガソリン⛽
 冬場は交通事故による通行止めや自然渋滞の発生率が高くなるため、ガソリンメーターが半分以下にならないように給油した方が安心です。特に私の自宅付近はガソリンスタンドまで少し遠い地区なので日頃から気を付けています。

②冬用ワイパー
 夏用ワイパーだとブレード(フロントウィンドウの雨を弾くために動いているワイパーのパーツ)が凍ってしまい視界不良となり事故につながります。タイヤ交換と一緒に交換すると良さそうです。

③スタッドレスタイヤ
 ひとつの目安として、溝があっても生産から5年以上経過しているものはゴムが硬化し性能が著しく低下している可能性があり、制動距離が長くなり危険です。タイヤは「ケチるな危険!」と覚えておきましょう。

④ウォッシャー液
 融雪剤を含んだベトベトの水しぶきがフロントに付着し、ウォッシャー液の消耗が早くなるためエンジンルーム内のタンクが半分以下になっていたら補充しましょう。冬は予備のウォッシャー液を1本車に積んでおくと良さそうです。

⑤車の屋根の雪下ろし☃
 屋根に雪が積もった状態で運転していると、ブレーキをかけたときに屋根の雪が前に滑り落ちて自らのフロントガラスのほか後続車も視界不良となり事故につながります。突然「目の前が真っ白😱」の現象は全力で回避しましょう。

エンジンルーム内は見るからに複雑ですが、点検するポイントを解説してもらいました。

タイヤの製造年月の調べ方…タイヤの製造番号はアルファベットと4ケタの数字を組み合わせて表示されており、数字の上2ケタが「製造週」、下2ケタが「製造年(西暦)」です。上の写真は「2221」と表示されていることから「2021年の22週目(5月)」に製造されたタイヤであることがわかります。「タイヤは命を乗せている」というほど重要な存在なので、知ることができて良かったです。

≪携行品≫

・スノーブラシ(言わずと知れた冬の定番アイテム)
・防災用のアルミブランケット(予期せぬ大渋滞や事故の時に体温を保つことができる)


今回は特別に許可を得て「八幡平市総合運動公園」の駐車場に作った特設コースで運転実技講習を行いました⛐

安全確認後、正しい運転姿勢でいざ出発🚗

まとめ動画はこちら☟


≪雪道あるある⛐≫

  • 大型トラックの泥除けに付着していた大きな雪(氷)の塊が道路や駐車場に落下している。衝突すれば車が破損し莫大な出費になることもあるため、前方確認は早く正確に。
  • 歩道が除雪されていない場合、道路のセンター寄りを歩行者や自転車が走っていることがあるため、日没や夜間は特に歩行者の存在に注意し、ややセンター寄りを走行した方が良い場合もあります。
  • 降雪により視界が悪くなったら、こちらの存在を相手に知らせるためにもヘッドライトを点灯して走行しましょう。吹雪時のハイビームは光が乱反射して余計に眩しくなるため、ロービームで走行し、状況に応じてハザードランプも使いましょう。
  • 現在多くの車に装備されているABS(アンチ・ロック・ブレーキシステム)は、滑りやすい路面で急ブレーキをかけたときに作動。強くブレーキを踏み込んでもタイヤをロックさせずにハンドル操作が可能となるので、減速と同時に衝突を回避しやすくなります。ABSが正常に作動するときに音や振動が発生するので、その状態に驚いてしまいブレーキを緩めそうになりましたが、ここで緩めないことが大切です。

≪感想≫

車の運転に慣れてくるとつい忘れがちな基本操作や正しい運転姿勢、運行前点検など、改めてその大切さを教えていただきました。そして冬ならではの心構えや注意点について詳しく知ることができたので、それらを踏まえ心や時間に余裕をもって雪道を運転したいと思いました。また、実技研修では車に装備されている「ABS」を有効に使うための操作を実際に行い、車が滑っている時の感覚やABS作動時の状態を肌で感じ、知っておくことが大切だと感じました。日頃からそうした補助装備に頼りすぎないよう雪道運転のコツを身につけて安全で快適な雪道ドライブを楽しみたいです。

    阿部さん、温かいご指導ありがとうございました!!