今回ご紹介するのは、八幡平市大更でりんどう等の生産に取り組んでいる「花っ娘」です。子育て中のお母さんたちが活躍しています!
「花っ娘」のモットーは、お母さんたちが、子育てをしながら自信と誇りをもって働き笑顔になれること。
笑顔溢れる職場では、それぞれの得意を伸ばして働く独自の体制が活きていました。2回に分けてインタビューの様子をお届けします。1回目となる今回は、「花っ娘」で働く7名の方にやりがいや大変だったことを聞いてみました。2回目は、代表の宮野亜由美さんにもお話をお伺いしています。
「花っ娘」で働く女性にインタビュー
かおちゃん
花っ娘で働く良さは?
子育て中なので、子どもの行事だったり体調を崩した時などには、お休みをいただいたり早退をしやすい職場環境が1番ありがたいです。融通が効く点は、他だとなかなか難しいと思うので、ここはすごく働きやすいと思います。
やりがいを教えてください。
私はもともと「農業をやる」という考えは全く持っていなかったので、今働いていて不思議な感じがしています。「花っ娘」では、りんどうの栽培の他に、冬はりんどうの花を使用した加工品の作成にも力を入れています。私はもともと、一緒に働いているママ友さんの紹介で、ドライフラワー要員として入りました。最初はドライフラワーのみでしたが、今は、畑仕事も行っています。
ドライフラワーだけよりは、やはり畑に出ていた方が例えばお客様に商品説明をする時にも、その花がどうやってできたのかなど詳しく過程まで言えます。結果的にドライフラワーのみではなく、畑から続いてやっていた方が自分には合っていたのかなと思います。みんなで一緒に畑で育てたものをドライにして、作品を作って、売る時にお客さんに伝えられる。その点では栽培から加工まで通してみてよかったと思いますね。
畑仕事は、最初は「できるかな」という気持ちで初めて、だんだんとできることが増えてきました。例えば除草剤を散布することは、去年から初めてまだ2年目です。除草剤をかけて、草が枯れてるのを見ると「よっしゃー」と思います(笑)。逆に残っていると、かけが足りないなと。りんどうの収穫などは、まだまだ経験が足りないので、先輩に教わりながらやってますね。咲いたりんどうを収穫して、綺麗に並んでいるのを見たときは、見た目にも美しいですし、やりがいを感じます。
働いていて大変だったことは?
最初は筋肉痛が大変でした。立ったりしゃがんだり、普段使わない筋肉を使っているので、痛くて動けない時もありました。今でも、たまに休み明けなどに筋肉痛になることはあります。ただ、辞めようと思ったことは今のところはないですね。いつそれが来るか分かりませんが、今のところはないです(笑)。
向かない人や向いている人について
向かない人は難しいですね。向かないと決める前に、草とりでもなんでも嫌だなと思わないでやることは大切だと思います。もし仮に嫌だなと思っても、そこに何か面白さがあるかもしれないので。例えば草や、虫の発見だったり。虫にはだいぶ慣れましたね(笑)。ギャーギャーは言ったりしますけど、そのへんは自然を満喫しながら、やらせてもらってます。たまにキジの親子が走っているのを見かけたり、自然の中だからこそ、日々発見がありますよ。
向いている人は、アウトドアで動ける人。外での仕事を楽しくできる人だと思います。あと、花を綺麗だと思う人も向いているのではないですかね。小さな時から世話をして、最終的に収穫まで見守りますから。そこが1番大事だと思います。
おるみさん
花っ娘で働く良さは?
子どものことをまず優先できることです。例えば具合が悪かったら、子ども優先で病院に連れて行ったりとかあります。あとは楽しいところですね。働いているお姉さんたちが楽しいので、ここに来るのがまず楽しいです。みんなお母さんたちなので、子育ての悩み相談とかもできたり、誰かしらが小学校とか中学校一緒なので、子どものプリントなどで忘れ物がないか聞けたりもします。そういう意味でも安心感がありますね。
やりがいを教えてください。
私は、最初は草取りだけをするつもりで来ました。でも、来てみたら色々な仕事を教えてもらって。できないことができるようになると、楽しいですよね。社長が褒めてくれるし、悪いところも言ってくれる。そうすると、どんどん楽しくなって、今は本当に働くことが楽しいですね。私は主に運搬をしているので、マニュアルの軽トラを運転する仕事が特に楽しいです。
働いていて大変だったことは?
最初は自然環境に慣れることがちょっと大変でした。寒いは寒いでしんどいし、暑いは暑いでしんどい。慣れてしまえば1年を通じて、徐々に気温の変化を受け入れられるようになりました。今では、寒いと思っても、畑に入って動いていると逆に暑くなることもあります。3年来ているので、少しずつ体が覚えてきているのかもしれません。楽しいので、全く辞める気がしないです。
向かない人や向いている人について
タイプ別に分けるのは難しいので、とにかくやってみて、それぞれ判断する方が良いと思います。
ゆりちゃん
花っ娘で働く良さは?
一番良いのは「子ども優先で働きに来ていいよ」と言っていただけることですね。それが魅力で来ました。最初はママ友から「押し花を作らないか」と誘っていただいたことがキッカケです。「1時間でもいい」と言われたので、それがもう魅力で「あ、行きます」と答えていました。社長が「気軽においで」と言ってくれたので、すごく来やすかったです。今は、子どもも少しずつ大きくなってきてはいるので、下校の時間が遅くなってきました。なので、下校時間に間に合うように帰社する形で働いてます。
やりがいを教えてください。
1つ1つの仕事がやりがいです。綺麗になった圃場を見るのも好きですし、除草剤をかける前の雑草とかが茂っているのをみると「よしっ」と思いますし、りんどうが咲きだして収穫してるのも楽しいです。あとはもう自分の努力次第。今は先輩たちに追いつけるように頑張りたいと、日々思っています。
私は追い込まれる方が燃えるというか、怒られないよりは怒られた方がいいタイプなんですよね。今の職場は、言う時は言っていただけます。言われないと。なにがいけないのか、何が良くて何がダメなのか、自分では気づけないことがたくさんあるので。はっきり言っていただけると、改善できます。
働いていて大変だったことは?
技術に追いつけない時は大変です。期待に添えているのか自信がないと、ですね。もっと自信があれば、仕事のスピーディーさとか、完璧さも求められると思います。私は短所を長所にしたいです。理想は、自然と手とか頭に仕事が入ってくれている状態ですね。あまり「こうやるぞ」と気負うのではなく、「あ、なんでできるんだろう、すごい」といった感じになりたいです。みなさんとても仕事ができる方ばかりなので、刺激を受けていますね。
向かない人や向いている人について
向かない人と言うと、自然が苦手な方は無理でしょうね。あと、室内の仕事しかしたことがない人とかは、もしかしたら合わないかもしれません。私はもともと花も興味ないし、虫は得意じゃないんですけど(笑)。ただ小さい頃から親の実家が田舎だったので、自然環境には慣れています。仕事になるとは思っていなかったですけど、いるのは苦ではないので。自然が好きな人は向いていると思います。
なおこさん
花っ娘で働く良さは?
みんないる時は楽しいですよ。みんな和気あいあいとしています。作業にもよりますが、メリハリをつけて話したりします。
やりがいを教えてください。
やりがいと改めて聞かれると考えてしまいますが。人間関係がいいので、辞めたいと思ったことはないです。私は社長と知り合いで、誘われて来たのが始まりです。もともとは農業に興味があったわけではないですが。好きな作業としては、例えば草取りは、綺麗になることが目に見えてわかるので、すっきりしますよね。「やったな」と感じます。
働いていて大変だったことは?
貧血の時はつらいです(笑)。
向かない人や向いている人について
どうでしょう。やる気さえあれば誰でもできると思います(笑) 。自分に合わせた柔軟な働き方ができますので。
らんさん
花っ娘で働く良さは?
融通が効くところです。子どもが風邪引いたりとか、急に用事できた時とかに休めたりすることは、良さだと思います。
やりがいを教えてください。
私は嫁いでから農業を始めたのですが、農業はやったことがなかったので挑戦感はありました。体を動かしてるのとか、やっぱりいいなって思いますね。偏頭痛持ちなので、ずっと同じ体勢とかでいると、やっぱり具合悪くなるので。育てているのが花というところにも惹かれます。私だけではなく両親も花が好きで、ガーデニングなどを昔から行っていたので、今でも収穫したリンドウを送ると喜ばれます。
6年目ですが、その年によって違うこともありますので、まだ全然分からないってなることも多いです。だんだん技術などが身についていってはくれてるのかなとは思いながら、頑張って働いてます。
働いていて大変だったことは?
時期によって繁忙期があるので、その時は大変です。特に7月の10日間と、8月のお盆の10日間と9月の彼岸の10日間は忙しいですね。もちろん、収穫や出荷以外にも準備期間などがありますので、1年を通してやることはあります。
向かない人や向いている人について
やろうと思えばできるとは思います。働く機会があれば挑戦してみてもいいのではないかなと考えています。仕事はなんでもそうですが、最初できないことが多く、ある程度わかるようになるまでしんどいこともある。そこさえクリアしてだんだんわかってくるようになれば、みんなで楽しく働けるのではないかなと思います。
さっちゃん
花っ娘で働く良さは?
めっちゃ楽しいことです!職場のみんなに会えることがとても楽しい。楽しいのが一番だと思います。最初は、農業の経験がほとんどなかったので、なにやるのかなとめっちゃ不安でしたが、今は楽しいです!社長は「収穫の選別隊長」と言ってくれますが、自分としてはまだ自信はないですね。ただ、収穫は一番得意です。
やりがいを教えてください。
例えば収穫の時ですと、畑一面を全部スカスカにさせた時がすごいおもしろいです。スカッてなった畑をみた時「はーとった」と感じます。そういうのを見るのが大好きです(笑)
働いていて大変だったことは?
大変……大変なことはみんなが助けてくれるから、そんなに大変と思ったことはないです。誰かしらが絶対助けてくれるという信頼があります。
向かない人や向いている人について
誰でも大丈夫だと思います。みんなが助けてくれるから、大丈夫。私はこの仕事はなにやってても楽しいです(笑)。いつも楽しい、毎日楽しいです。
みゆきさん
花っ娘で働く良さは?
草取りなどをしていても、成果が目に見えます。綺麗になると、そういうところが面白いかなと思います。例えば今、ネットを張ってるんですけど、それも最初は何もなかったところから張り終わると、しっかり成り立っている。1個1個の動作はわりと簡単なんですけど、こんなことで何年も持つんだとか、面白いなど思います。
やりがいを教えてください。
なんでしょうね。1年間と通して考えると、草をとったり、ネットを張ったり、破れたところを直したりなど色々な仕事があります。そして出荷の時期になると、もう何日かで大量のりんどうを出すわけですよ。繁忙期を乗り越えた時は「ヤッター」と達成感を感じますね。ちょっと燃えると言うんでしょうか(笑)繁忙期の後は、社長が近くのご飯屋さんで焼肉定食を奢ってくれたりして、それもやる気が増しますね。
働いていて大変だったことは?
ないと言えばないです。ただ、仕事でどうやってもできないことはあります。なのでどうしてもできない時は、できる人にお任せして、できるところを頑張ります。適材適所です。
向かない人や向いている人について
リンドウに関してだったら、経営者は別として、誰でもできると思います。私がやってることなら、誰でもできる。子育てしていると、時間の融通をきかせないといけない場面もありますが、花っ娘は、多少出荷時期に拘束時間が長くなったりはありますけど、相談すれば融通がききます。その意味ではお子さんが小さい人にとっては、職場として最適なのではないかなと思います。
取材に伺うと、りんどう畑でテキパキと動きつつも、笑顔が絶えませんでした。働いているみなさんが全員「楽しい」と言える職場。単純に憧れます。次回は、そんな職場をまとめている代表の宮野亜由美さんにお話をお伺いします。