スパルタキャンプとの出会いから地元で起業を決意【連載 第3回(全4回)】

スパルタキャンプ参加からの起業

高橋さんに再び転機が訪れたのは34歳の頃。地元で新しく開催されるスパルタキャンプの取り組みを知り、スキルを増やしたいと第1期生として参加をしました。

「会社員をしながら、副業で友だちから仕事をもらっていた時期だったんですけど。転職も考え始めていました。自分のスキルというか、幅を広げたいなと思って。無料だし”プラスになればいいかな”くらいの気軽な感じで受講しました。確かFacebook広告かなにかでスパルタキャンプの募集を見たんですけど、無料なので、ちょっと怪しいなとは思いましたね笑」

スパルタキャンプは、八幡平市が取り組む起業市民プロジェクトの一つ。2019年現在は応募者が殺到し倍率が20倍を超える人気を誇りますが、第一回目はほとんど知られていませんでした。しかし、実際に参加した高橋さんは、興味を覚えます。


「当時スパルタキャンプを運営していた会社が面白いなと。やっぱり当時の会社で自分のやれることというのが、ちょっと限られてきたというか。モチベーションが低下してきちゃっているところもあって、興味を覚えました。何回かスパルタキャンプに参加をして、当時の運営会社(ノーウォール)に就職。それからノーウォールの教育事業部を自分がごっそり持って起業したという感じですね」

高橋さんのスパルタキャンプとの出会いから企業までの道のりは詳しくはこちら

2018年1月22日、株式会社NEXT REVOLUTIONを設立。代表取締役を務める高橋さんは、スパルタキャンプの運営をはじめ人材育成事業を手掛けています。

八幡平から東京は遠くない

ビジネスをする上で八幡平市という場所がネックになるか伺うと「そんなにはネックになっていないかなと思います」と答えてくれました。

「場所に関しては、今のところはネックではないですね。仕事の関係で、東京にも日帰りで今、毎週行っていますが、全然遠くはないですね。ちょっと東京行ってきますぐらいの感じで行けちゃう感じなので。

盛岡も車でそんなに遠くないです。ちょっと買い物したい時とか、ここ(八幡平)とちょっと違うところに行きたいってなったら、すぐ行けます。立地に関しては本当にいいところだなと思いますね」

八幡平市の大更地区から盛岡までは車で40分程度です。盛岡駅から東北新幹線を利用すれば、東京まで2時間14分。日帰り出張も十分可能です。

スパルタキャンプ✕八幡平を活かす

八幡平市という場所に不便を感じない理由として、高橋さんが運営を手掛けるスパルタキャンプの存在もあると言います。

「スパルタキャンプを八幡平と組んで行っていることが有名になってきていますので。全国どころか海外からも来てくれる人とかがいますから」

八幡平と組んで行う場合のスパルタキャンプは無料ですが、有料版も展開されています。有料版を企画した際には、名古屋など、人が集まりやすい場所で行うことに地の利を感じたそうです。しかし、有料版で開催する場合も、八幡平には魅力があると話します。

「八幡平の自然と上手く組み合わせたり、宿泊施設と組み合わせたりすると、有料版でもいけるかなというのはありますね。そこはもう自分たち次第というか、もっと教えている内容を充実させたり。最終的な成果、何日間で学ぶ内容のもうちょっとレベルアップとかすれば、もっと伸びるかななど、色々検討しています」

ビジネスアイディアを語る時、高橋さんの目はひときわ輝いていました

先々を見据え、様々な可能性を考えながらビジネスを進める高橋さん。インタビュー時点でまだ起業から1年半でしたが、事業は急速に伸びています。

「八幡平市がスパルタキャンプを何回も一緒にやってくれているということもあって、有料版をやったときも人が集まってくれるようになりました。そこで色々ノウハウが溜まってきて。東京で法人向けのスクールじゃないですけど、今やっていたりとかできています。こちらの事業も『もうちょっと広げていきたいな』という気持ちがあるんですけどね」

拡大していくビジネスの背景には、人との出会いを大切にする企業姿勢があります。

「たまたま出会いというか、グループ会社の方の社長が話を持ってきてくれて、実際に話をしたらクライアントの人とも話が合って。『いいですね』と話がまとまり、今続いていることもあります。

起業して付き合いを自分で選べるようになったのはいいですよね。この人と絶対やりたいと思ったら、こっちから猛プッシュというか。持っていけば、一緒にやれます。人との出会いは、本当に大事だなと思いますね」

次回は最終回。
地元だからこその良さと悪さや、現在の仕事にかける想い、これから移住する方へ向けたメッセージなどをご紹介します。

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